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令和元年度第2回人材育成研修会

開催日時 令和2年2月10日(月)16:30〜18:00
開催場所 久保豊二番町ビル 二番町ホール MAP
講師 OFFICE DETECT 代表 佐藤 志憲 氏

松山市商業振興対策事業委員会では、令和元年度第2回人材育成事業研修会を実施。

現場経験を生かした人材育成と売上戦略についてのコンサルティングに定評のあるOFFICE DETECT代表の佐藤志憲(ゆきのり)さんを講師に迎え、「〜ネット販売に負けない〜『強い店舗の作り方』」をテーマにご講演いただきました。

ネットに負けない実店舗の強い商圏と戦い方

「考えることも大事ですが、行動したらこう変わるんだなと、そういうことから見えてきますので、行動を前提としてお聞きいただけたら嬉しいです」と佐藤氏。

 

“すぐに行動できること”をキーワードに、いかにお客様、従業員を守りながら効率よく愛される企業を保つかということについてお話しいただきました。

 

まずは、「ネットに負けない実店舗の強い商圏と戦い方」について。いかにお客様に知ってもらうかはネットも実店舗も同じといいます。では、実店舗ならではのポイントとは?

「実店舗は人が対面で販売できる。これはネットにはできない最大のポイントであり、勝負の分かれ目になっています。直にお客様とお話をして、ご要望や悩みなど、より濃い生の声を取り入れることで販促のキーワードを明確化できます。そして商圏の使い方。そもそも来店しているお客様はどの地域が一番多いか。うちのお店の周りに何世帯ぐらいあって、どのぐらいの人数が来ているのかを知るだけでもポスティングの範囲は絞られます。いかに無駄な経費や労力を使わずメディアを立てていくかは、リサーチが鍵を握ります」と話します。

ターゲットとするお客様は、どんな媒体を使っていますか?

新聞、タウン誌、折込チラシ、ネット、SNS……

 

「何を使っているかがわかれば、一番効率よく集客できます。ネットが普及しているからといって、決して効果があるとは限りません。それは、顧客の年齢層の問題。例えばターゲットが高齢者の場合は、ポスティングや新聞のほうが効果は見込めると思います。要するに、今来ていただいているお客様がどの媒体を使っているかを知ることが重要です」と佐藤氏。

 

今のお客様が欲しいのか、5年後10年後のお客様が欲しいのかで考えるといいそう。

また、なぜその商品を買うべきなのか?競合店との違いを見せ、私たちのお店で買うべきということを訴求する必要があると言います。

 

「なぜ買うべきか?『また考えてから来ます』と言われたことはないですか?買っていただけなかったこと、ありますよね?

今、買っていただくためには、

・この時期にどの商品を売るか?

・なぜうちで買うべきか?

・なぜ今買うべきか?

これを突き詰めて戦略を固める必要があると教えていただきました。

また、実店舗だからこそできること。それは地域の巻き込みが一番重要だそう。「いかに専門性をお客様に伝えるか。そして他にないサービス、魅力を伝えるとここで買う理由になります。お客様を失ったからといって諦める必要はなく、取り戻すことは可能です。周りのチェーン店に取られても、諦めずに専門性を高めればチャンスはあるんだと思っていただければ」と話します。

ただの通行人を顧客に変える店頭の作り方

ただの通行人にどうやってお店に入ってもらうか。減っているお客さんをいかにお店に引っ張り込むかが重要。入店率を増やすほど買い上げ率に繋がるという佐藤氏が重要視しているのが、店頭の立て看板やPOPです。

 

POP、立て看板を使う場所とは?

立て看板は書く内容と置く場所が非常に重要だそう。お店の前にあった時、どういう内容なら入ってみたいなと思うか。ここで、ある立て看板を題材に、隣の方と2〜3人一組となり、その立て看板のいいところ、改善点についてディスカッションを行いました。

 

その結果、お店側が考えるキーワードや表現と、お客様が考えるキーワードや表現は異なる場合があることがわかりました。それはつまり、売り手からと買い手からの表現の誤差。

 

「ですから、キーワードはお客さんに聞いて作った方がいいですね。せっかくいい商品でもイメージ違いと思われたらマイナスになってしまいます。食感や肌触りなど特に感覚的なものは自分たちだけでなくお客様の意見を取り入れた方がいいでしょう。また、ジュージューとかサラサラとかふんわりとか。擬態語もいいですね。頭の中で映像が浮かぶような表現は非常に効果的。商品に対する期待や興味が湧きます。これらは実店舗のPOPや看板にとても有効です」と教えていただきました。

立て看板をより魅力的に見せるために〜お店に意識を引きつける条件とは?

●興味を引く内容はPOPにする

より興味を引きたい内容はPOPに書くことで効果が高まるそう。人間は「限定」や「特別」というキーワードに弱いもの。そこで、今すぐ買おうと思ってもらうためにはどうすればいいか?“あと3日!●月●日まで”や、“あと●個!”と煽ることでお客様の購買意欲を高めることができると佐藤氏は言います。また、受賞歴や“パティシエが作る!”などの文言もパワーワード。

 

●人間の視覚を巧みに利用する

・はみ出し効果…ちょっとはみ出しているPOPなどははみ出し効果で目に入ります。人間は違和感のあるものは注目します。

・歩いて通るか自転車か車かによって文字の大きさを変える。

・人間が紙媒体を見る時の目の動きを利用する。

人間は紙媒体を見るとき、その視線の動きはローマ字のZを描きます。ほとんどの人間の脳がこの動きで物事を捉える癖があるそうですから、そこを主軸にしながら見せ方はある程度コントロールできる。そのためPOPは左上が効果的だそう。

 

「目からの情報は非常に重要です。いかにお客さんに見てもらって興味を示してもらうか。それができれば確実に売上は変わってきます。さらに匂い。脳に入ると一番忘れにくく、記憶に残りやすいので、飲食店なら少しでも扉を開けておくといいですね」と佐藤氏。

販促費半分で2倍集客できる!地域密着型集客術

「これが非常に重要です。自分がコンサルティングをさせていただく中でも絶対に使っていますし、ぜひやっていただきたい方法です」と佐藤氏も熱く語るその方法とは?

 

それは、周りのお店に同じようなお客様を持っているお店はないか?同じような顧客にDMを送っているお店を探し、提携することです。

 

●提携を組む5つのメリット

①経費削減

②手間削減

③集客増大

④顧客リスト増大

⑤売上増大

 

佐藤氏の話す提携とは、DMを通じてお互いのお店を紹介し合うこと。まず、相手のお店のDMの中に、自分のお店のチラシを入れていただく。それにより、知らないお客様に自店のDMを出すことができる。それを受け取った顧客からすると、いつも買っているお店からの紹介ということになるので、飛び込みよりも安心感があります。さらに自分のお店と相手のお店と2倍のお客様に渡せるというメリットも。

 

また、提携をする上で大切なのは、同じようなお客様がどんな悩みを持っているか、何に困っているのかを想像すること。同じ客層で提携することで、悩みを合体させたPRをすることが重要だそう。

 

「販促は発想力が勝負です。パズルを組み合わせるようにどこと組めるか。コンセプトや悩みが共有できる店舗を想像するだけで提携の可能性があるところはたくさんあります。一対一だけではなく、自分たちの知り合いや人脈、商店街で繋がることが販促力を上げるポイント。集客力と速さが格段に違ってきます。そして一番いいのは、DMを置いていくだけでなく口で伝えてもらうこと。人間の生の声ほど強いものはありませんし、これこそが地域密着型。口コミでお互いに紹介し合うことで集客に繋がります。これが実店舗最大の強みですから、ぜひやってみていただきたいなと思います。ぜひ、同じ客層、同じ悩みを持っている店舗さんを見つけて、提携していただきたいなと思います」。

費用対効果2.7倍!リピート客増加DMの作り方

見込み客を作る=顧客リストを作ること。

 

DMで一番効果があるのは圧倒的に封筒だという佐藤氏。なぜかというと、ハガキなどに比べて情報量があることはもちろんですが、人間はせっかく開けたら中身を見ようと思うからだそう。ということは、封筒を開けてもらうことが大前提なのです。

 

「封筒の中にはぜひとも固形物を入れてください。何かしらものが入っていれば、気になって開けて取り出しますよね?」と佐藤氏は続けます。

 

販促は、遊びがあった方が楽しめるというのが佐藤流。お店に行きたくなる理由を、ストーリー仕立てにして教えてあげる。例えば、佐藤氏が「メガネの三城」勤務時代には、「この夏は熱中症が心配なので、塩飴を舐めながら来てくださいね」という内容とともに塩飴を同封したDMを送って大好評だったそう。

実店舗だからできる!買い物の楽しさを顧客に!

買い物の楽しさを伝えられるのは、やはり実店舗。会話の中から察してくれるという、「これが欲しかったんだ!」という喜びを伝えられるのは実店舗ならではだと語る佐藤氏。また、遊びに寄ってくれるお客様は貴重と言います。

 

「遊びによってくれるお客様は、口コミをしてくれるお客様になる可能性があります。そして、そういった顧客はファンになり、だんだん身内のようになってきます。そうなると裏切れない。裏切らないお客様は強いお客様になってくれますから、今後はいかに身内を作っていくかが大切です。本日、お話を聞いていただいたことをお店や家に帰って資料に書き込んで復習していただき、さらに自分で実践していただくことで、定着してより動きやすくなると思います。まずは提携から、ぜひ行動に移していただけたら嬉しいです」と、力強く私たちの背中を押してくださいました。

講師プロフィール

OFFICE DETECT 代表 佐藤 志憲 氏

メガネの三城で15年間、現場で叩き上げてきた経験から培ったノウハウを生かし、 “人材育成”と“売上戦略”についてのコンサルティングと研修を実施。人材やマネジメント、また集客と売上の問題解決に貢献している。メガネの三城在籍時代には売上日本一に4度輝いた実績から赤字再生にも尽力。現在は全国各地で年間100回以上の講演実績がある。

著書『あなたの店を超繁盛店に変える「9つのテクニック」』

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