Withコロナ時代の販路開拓・販売促進とは?
購買点数を増やす、購買頻度を高める、新規顧客を開拓する、自社商品の広報・周知を図る…
Withコロナ時代を迎えている今、これらの課題を解決し、売上の維持・増加をするためには、「Webやインターネットを活用して新しいお客様と出会う。既存のお客様と交流することが重要」と語る永友氏。
「自社の価値」を理解していただけるお客様に向けて情報発信することが、利益率の維持・改善につながると言います。
そこで、今こそ実践したい「Webツールを活用した販路開拓・販売促進」について、永友氏が具体例を挙げつつわかりやすく教えてくださいました。
Webツールは使い分けが肝心
Webツールには主に3通りの使い方があり、それぞれに目指すゴールがあります。
ここでのゴールとは、新規来店や再来店、申込、問い合わせ、資料請求など。
まず、SNS(Instagram、Facebook、Twitter)。
SNSは、検索する以前の人(目的を求めている人)に興味を湧かせる場所。
「コロナが終わったらどこに行こう」「何か美味しいものないかな?」など、漠然と思っている人はSNSにアクセスします。
次に、ブログやYouTube、Googleマップ。
これらは検索に対応するツール。なので、検索を意識した記事を書き(もしくは動画を掲載し)、ホームページやSNSに誘導することがゴールへの近道。
ゴール例は、来店、申込、問い合わせ、資料請求。
ですから、漠然と考えている人にはSNS、具体的にニーズが高まっている人には検索ツールと、両方をうまく活用しアクセス誘導することが鍵となります。
また、再来店を促すツールとして、LINEも有効。
既存のお客様にLINEで友達になってもらい、再来店を促します。
ITツールを使って顧客ニーズを『知る』
次に、ユーザー像を把握するための具体的なツールを挙げながら、その使い方を指南いただきました。
Googleトレンド
登録やログインが不要、無料で使えるツール。どんな言葉が検索されているかがわかる。
ポイントは、意識しているキーワードが、ネットで検索されているキーワードかをチェックすること。
アクセス解析ツールには、Googleアナリティクス
ブログの解析をする際には必須となるアクセス解析ツール。永友氏がまずGoogleアナリティクスを薦める理由は以下の通り。
無料で使える・高性能・直感的なグラフでわかりやすい・使っている人が多い(人に聞きやすい)
「ユーザーフロー」でユーザーについて分析
Webサイト内でのユーザーの動きを俯瞰できるユーザーフロー。ページをどんなふうに移動しているか、どのページで去っていく(離脱してしまう)のか。それらをチェックすることができます。
顧客を獲得するには、トップページから先に進んでもらい、複数のページを見てもらうことが重要。そのために、「見てみたい」と思わせるリンクにします。
・クリックされやすいリンク
個別具体的な言葉からリンクを貼る。
文末は動詞で終わるのがおすすめ。(見る。確認する。など)
Google Search Consoleでキーワードを確認する
これも無料のツールで、どんなキーワードでホームページにやってきたかわかるものです。
「検索アナリティクス」の「クエリ」(検索語)から考えるべきこと
①企業名(店名)で検索(=ブランド検索)されているか?
→企業名で検索されていない場合は知名度が低いので、ネーミングそのものをPRする必要あり。紙媒体、看板、異業種交流会などで宣伝を。
②本来のニーズ語(例:「ホームページ 検索」など)で検索されているか?
→ニーズで検索されていない場合は、キーワード対策。ニーズのキーワードでアクセスされるように、タイトルに入れる、ページの中のボリュームを増やす、曖昧な言葉を具体的に。
③「当社、我が社、当店、この商品」を使っていないか?
→それでは検索されないので、個別の言葉に言い換える。
④意外な(対策を想定していないキーワード)で検索されていないか?
→意外なキーワードで検索されている場合はチャンス。隠れたニーズに気づくきっかけに。
SNS・ブログ・Googleマイビジネスを活用する
Web集客の基盤はブログ
サービス業はブログが効果的。
Web集客の基盤にブログを活用することで得られる2つの経営効果とは?
①文章から企業の専門性や技術力、スタッフの人柄が伝わる。
②ブログは検索エンジンによくヒットする。
ブログは「検索」の受け皿としては最適なツール。
ブログを継続してアップし、情報発信をしていくことが何よりの「信頼・信用」(=営業活動)に。「ブログで半分営業できており、来店の時点でほぼ依頼することを決めているのでいいお客さんばかり」と永友氏。
Instagramは有力な情報収集ツール
国内の利用者は3300万人を超え、アクティブ率(月1回以上利用している率)も高いInstagram。
見る専門のユーザーが52%というデータがあり、情報収集ツールとして活用している人が多いのが特徴。
「インスタはもはや若い世代のツールではありません。どの年齢層にも満遍なく使われており、シニアも結構使っています。また、おじいちゃんの子どもや孫が調べたりするので、シニア向けの店でもSNSは大事」と永友氏。
Instagramを投稿する際のポイント
・地元についての投稿をしているか?
地元の投稿を見て地元の人が地元のことを調べることがあるので、地元の投稿をする。
・ハッシュタグに引っかかるので、多くつける
1つの投稿に30個までつけられる。
効果的なハッシュタグ
・メーカー名、ブランド名、素材名。固有名詞で検索するユーザーはすごく多い
・日本を表すもの
インバウンド向けに、Japanは人気のタグ。Japan○○も人気。
・組み合わせタグ
「これが非常におすすめ」と永友氏。
「カフェ」と検索すると200万件以上出てくるので、それでは引っかからない。
→#カフェ松山 #カフェ松山駅前 など、言葉を足してニッチなハッシュタグにすると効果的。
地域情報検索ツールならTwitter
地域の情報がよく探されるSNS、それがTwitter 。FacebookやInstagramよりもユーザー数が多く、国内月間アクティブユーザー数は4,500万人(2017年10月期)。
Twitterを投稿する際のポイント
・市町村名、業種を名前に入れている。
・前向きで明るい雰囲気。
・Twitterは言葉の全てが検索の対象になるので、よく検索されるであろう言葉を入れる。
新規客獲得につながるGoogleマイビジネス
日本のスマホユーザーが最も見ている地図はGoogleマップ。
スマホユーザーがGoogleで業種等を検索すると、お店の公式ホームページよりも大きく出てくるのがGoogleマイビジネスの情報。スマホでいきなり「業種」を探す人=新規客を獲得するためにも、整備しておく必要があります。
投稿内容のポイント
・写真は2000枚まで投稿できるので1枚でも多く投稿を。
・セールやイベントなどのトピックスを発信する。
・クーポンは新規客獲得につながる。
・投稿機能からブログやS N Sに誘導することができる。
・クチコミが多いほどGoogleマップ上の検索順位が高くなり、返信すると掲載順位が上がるので、クチコミには必ず返信を。
「お客様目線」の表現とは?
「みんな」ではなく「あのひと」向けに書くことが大切だと永友氏は言います。
幅広く発信するよりも、ターゲットを明確に絞った方が響くことがあるそう。
漠然ではなく具体的に絞る
×美しくありたい女性へ
×幸せな毎日は健康から
これらは、漠然としすぎていて無意味なメッセージ。
少なくとも二段階に絞り、以下のような表現で。
○シミが気になるあなたへ
◎妊娠中にシミが気になりだしたあなたへ
「あなたにとって得になる」ことを伝える
永友氏は、「毎日のようにホームページの改善を拝見していて思うのは、多くの中小企業は当社、うちの店はというのが主語で多いということ。なので、あなたを主語にしてPRすると伝わりやすい」と話します。
当社は〜ではなく、「あなたは〜できます。」「あなたは〜お楽しみにいただけます。」
それが伝わりやすいメッセージになるのだそう。
「迷い」を解決するから「問い合わせ」につながる
ネットの向こう側のお客様は「不安」や「疑問」でいっぱい。
だから、不安や疑問を払拭する内容を提案することが大切。
それが「問い合わせしない理由」を減らすPR戦術。
不安と疑問を解消する情報例
・どんな人が対応するのか?を示す(顔写真など)
・他の利用者がどう言っているのか?を示す(お客様の声など)
・大まかで良いので納期(お渡しの見通し)を示す
・依頼からお渡しまでの全体像(ダンドリ)を示す
・納品後のアフターケアを示す
・「はじめての○○」など初心者向けの情報を載せる
今回は、Withコロナ時代を生き抜くための強力な武器として、Web・SNS・ブログのノウハウ、ヒントをたくさん教えていただきました。
スマホやタブレットがあればすぐにでも実践できるアドバイスの数々、ぜひトライして「お客様目線」で売上アップを目指しましょう!
講師プロフィール
ホームページコンサルタント永友事務所 代表 永友一郎氏
ホームページの自作(自社運営・Webマスター)・発注・受注すべての「実務経験」を持ち、「中小零細企業のホームページ運営実務」に精通したコンサルタント。「実践的でわかりやすいアドバイス」をモットーに、自らブログやホームページ、Facebookでコンサル契約や執筆、講演を受託している。
Webコンサルティングでは起業予定者から小売飲食サービス業、市会議員、県庁、Webシステム会社、大学発ベンチャー企業など幅広いクライアントにアドバイスを行い、検索上位表示、引き合いや新規顧客獲得、売上増加事例も多数。
主な著書
『Googleマイビジネス 集客の王道〜Googleマップから「来店」を生み出す最強ツール』(技術評論社)
『ゼロからはじめる 売上アップのためのネット活用 「覚えること」「やること」一問一答』(翔泳社:共著)